電子カルテ化を視野に入れ段階的にシステムシステムを拡張
当院では、昭和31年の開設以来、先進の医療技術や最新設備の導入を積極的に進めて地域医療の中核を担うとともに、「基本理念」に『患者さんの権利』宣言を掲げ、患者さんの立場に立った医療を目指しています。2008年からは医療会計システム「HAPPY CS-III」と段階的にシステムを拡張している病院情報システム「HAPPY CLIOS-ER」の導入を開始し、サービスの充実と、皆様の安心できる病院を目指しております。
患者サービスの向上と業務の効率化を目指す
当院従来のオーダエントリシステムは、院内業務とかけ離れていた部分があるだけでなくデータベース機能が脆弱で、ほとんど“マニュアル”で運用するような状況でした。そのため医事会計システムでもベンダーの対応が遅いために苦労していました。
2008年5月に、電子カルテ化を視野に入れて病院情報システムを刷新し、「患者サービスの向上」と「業務の効率化」そして「安全性の確保」を目指しました。
当院ではIT化の一環として、フィルムレス化を目指して2008年7月からPACSを稼働させることが決定していました。そのため、オーダエントリシステム内で放射線画像を参照することが必須でした。そこで、病院情報システム「HAPPY CLIOS-ER」と医事会計システム「HAPPY CS-III」を、同年11月に稼動開始という短期間で導入されることにしました。しかし、病院情報システムを導入するには多大な時間がかかるため、「HAPPY CLIOS-ER」は段階的に導入することになり、11月の第1期導入時には放射線オーダ、処方オーダ、検体検査オーダ等のオーダエントリシステムを稼動することになりました。
「システム構築時に一番大変だったのは各部門。薬剤部は薬剤マスタを作らなければならなかったし、医事課はレセプトとの紐付けが大変だった。出来上がったシステムを運用する現場の看護師や事務職員たちは、患者さんをいかに誘導するかという手順の変更が大変だったはず」(清水医局長)
新システム用の事前入力に約3週間を費やしました。パソコン操作に慣れない医師の誤入力を防ぐため、処方の前回Doの事前入力をしたこと、新マスタでは50音順だけではなく薬効順にリスト化しました。
当院は院外処方ですが、新システムでは処方箋が診療室で発行されるため、患者様の待ち時間も短縮されました。さらに、調剤薬局からの問い合わせも減少しただけでなく、「カルテを見に行かなくても端末から得た患者情報で答えられるのでとても便利になった」という意見もあります。
薬剤マスタのメンテナンスに関しても、「経過措置品目や名称変更になった薬剤など、更新データがTSMEDから送られてくるので、採用薬を決定する際にとても助かっている」と尾花薬局長は高く評価しています。
2009年9月に拡張された注射オーダに関しても、入院患者様の前回注射のDoデータを事前入力していたため、稼動にあたって医師からの入力に関するクレームは全くありませんでした。


段階的導入で無理なくシステムを拡張
「電子カルテシステムは『病院運営の理想型』を目指して開発されています。しかし、病院業務の運用はファジーな部分もあり、一気に電子カルテを導入するには、既存のやり方を抜本的に見直す必要がある。そのためには、病院を1カ月ほど閉鎖してスタッフ全員で検討することになるが、もちろんそこまではできない。だから、段階的な導入で良かった
また、システム化のために手順の見直しを実施したところ、従来の手順には無駄があったことが明らかになり、ファジーだった部分を明確にする必要もありました。そこで、システムに合わせた業務フローにしたのです」(清水医局長) つまり、システム構築のプロセスを通して、業務を改善するプロセスになりました。


電子カルテ化でさらなるサービス向上と効率化、安全を目指す
システム導入は、薬の重複投与や相互作用など安全性を高めることも大きな目的でした。システム導入後は医師同士が患者さんの情報をお互いに共有し合えるようになりました。患者さんの情報が医療スタッフの間で共有化されていることで、病院情報システムがプラットホームとなって、患者さんの情報を中心に、多くの医療スタッフがよりよい医療を提供する協力関係を容易に構築できるようになりました。
オーダエントリーシステムの導入は、電子カルテを視野に入れたものなので、電子カルテ化は計画通り実行していきます。そして、電子カルテ化による患者様へのサービスと効率化のさらなる向上を目指しています。
ペーパーレスになることで、患者様の動線がすっきりし、会計も早くなり、待ち時間が短縮されます。時間的なロスを削減することで、患者さんに提供できる時間を有効に使うことができるようになり、サービスのさらなる向上を目指しています。
